(第1回)「ごあいさつ」

やっとの思いで店開きが出来ました。

 自分が気に入って集めてきた本を同じような趣味の人にも読んでもらうには何か良い方法はないかと色々考えていたんです。先ず考えついたのがむかし懐かしの貸し本屋です。早速インターネットで貸し本屋を調べてみると何と今もなお健在なんですねこれが、「よしッ!それじゃあ一つ今時の貸し本屋はどうなってんのか実際に見てみよう。」と大久保の某貸し本屋に行ってみたんです。するとどうでしょう、殆んどがコミック本なんですね。

 その理由をお店の方に聞いてみますと、

 @小説などの読むのに時間のかかる本は駄目(貸し本料金は一冊100円〜160円)

 A長いシリーズ物がいい(コミックは30巻とか50巻のシリーズがざらにある)

 B客層は比較的昼間時間の取れる主婦や子供が多いいとの事、

 なるほどこれで貸し本屋さんがコミック本を中心に置くのが良く分かりました。

そこで次に考えついたのが自分で古本屋を開いちゃえば良いのではないかと。
しかし、しかしです。好きで一生懸命集めた本を貸すのではなく売ってしまうのですからもう二度と戻ってこない訳です。

 どうしよう。どうしよう。とさんざん悩んでおりました。そんな折、「インターネットでお店をやろう!」と言う本にインターネットで古本屋を始めた「杉並北尾堂」のトロさんこと北尾さんの記事が出ていたのであります。これを読んでみるとお店を開くことが簡単に出来る、それにお金もそんなに掛からないようなのです。そしてネットを通じてお客さんとの交流も出来たりすると書かれているんです。大好きな本をただ漠然と売ってしまうのはどうも淋し過ぎるし、かと言ってこんな面白い本を独り占めにしておくのももったいないしなぁ。と考えていたので「よ〜しッ!この線でゆこう!」と決めたのです。
 決めるのにわずか一秒もかからなかったんですが、何てったってインターネットによるオンライン販売なんですからとにかくホームページを作らなきゃならんのです。うへ〜ッ!こりゃ大変だ。どうしよう、、、さあそれからが大騒ぎ。ホームページ制作ソフトやその教則本を買ってそれと首っきりで何と1ヶ月以上の大格闘。それと並行して約800冊の蔵書の整理。これがまたまた大変!本棚と押入れの中を引っ掻き回して、全部引っ張り出して分類して、又本棚と押入れに入れ直して、それから本のリストを作ってそれを入力する。と言う実に根気のいる作業が延々と続いたのであります。

 それに本の値付けが又大変なんですな。何てったって素人なんですから。行きなれた神田の古本屋街も商売人になった気分で行くとぜんぜん違って見えるんです。「単なる趣味の古本漁りで来てるんじゃないんだからな。」と自分に言い聞かせて本の相場を見て歩いたのであります。「ほうッ、けっこう高く売れるんだなぁ。」と嬉しくなっちゃうのが有るかと思えば「冗談じゃないよ!絶対手放したくないと思ってるこの本がこんな値段かよ。」てぇのも有るんですな。なかなか難しいもんでありますが、インターネットの古本屋などもあちこち見てみた結果、結局はどう値付けしようが店主次第と思えてきましたね。
 まあ特に当店の場合なんか本当にわたしの思い入れたっぷりの個人的趣味に偏った本ばかりですから、本当に欲しい人に買って頂ければいいんだと開き直って“思い入れ値段”を付けさせて貰うことにしました。
(だから売りたくない本は高いですよ。ウヒヒヒッ・・・)

しかしなんですな、本ってやたら重くて体中ガクガクになり足腰を痛めてしまう始末。
う〜む、やはり歳には勝てません。そんなこんなで簡単に「この線で行こう!」と決めてからなんと半年を経てやっとこさ開店に漕ぎ着けたのでありますが、

 このホームページ“鎌倉キネマ堂”は如何なもんでしょうか? 
 素人が初めて作ったホームページです。しかも、そこで商売をしようてんですからずうずうしいったら無いですよね。 その上お客さんと仲良くなりたいなんて考えてんですが、虫が良すぎますかね。「まあそれでもいいや、たまにゃ覗いてやろう。」てぇ方にはお付き合いの程、よろしくお願い申し上げておきます。

 ちなみに、わたくし自身のことを簡単にぼんやりと紹介させて頂きますと、、、

年齢:当年とって50歳の半ばチョット過ぎ。(“団塊の世代”のチョット手前)

性別:とにかく男。(“漢”こんな字で書く男でいたい。と若い頃は思ったもんです。)

職業:なんとかリストラされずに会社にしがみついているサラリーマン。

住所:神奈川県鎌倉市浄明寺の片隅に、二世帯家族でひっそり棲息している。

趣味:特に戦後日本娯楽映画、古本や漁り、酒を飲んでグダグダTV等の悪口を言う。

好物:刺身とミカンに裕次郎。え〜と、それから手塚治虫に司馬遼と落語は志ん生、
    浪花節なら虎造よ!

    と、まあこんなところですか。どうも嫌な奴ですねこいつは。 では又。 (01.02.03)

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